Hamilton Medical
Hamilton G5,S1(図;G5外観写真S1外観写真
1.特徴
 1947年、Hamilton社は精密マイクロシリンジを製造するメーカーとして創業した。その後にスイスに本社を移して、高精度の検査機器や実験器具メーカーとして、またバイオ関連のセンサーメーカーとして発展してきた歴史がある。1983年には人工呼吸器部門としてHamilton Medical社を発足させ、マイクロプロセッサ制御の革新的な人工呼吸器を送り出した。Hamilton AmadeusやHamilton Gallilleoなどが代表作である。Hamilton Medical社をグローバル企業として独創的な地位に導いたのは、単にセンサー技術とデジタル技術が熟成しているという技術上の裏付けだけではなく、ASVモードの提唱者であるというソフト上の革新が重要である。最新モデルであるS1にはINTELLiVENT-ASVという設定を完全に自動化するソフトが搭載されている。このオプションはG5でも利用可能であるが、残念ながら国内未承認である。
 Hamilton G5,S1は、新生児〜成人を対象にしたHamilton社の上位機種である。G5とS1の違いは外観デザイン、コンピューター能力、外部インターフェースの違いだけで機構的にはほぼ同じである。S1とC3は12インチ高精細カラー液晶画面のVentilation Cockpitと呼ばれる共通のユーザーインターフェース(操作画面)をもつ。Hamilton Medical社のラインアップにはS1,G5,C3,C2,C1,そしてC1のバリエーションとして、輸送用の防滴・耐衝撃仕様のT1,MRI対応のMR1がある。ただし、現時点では、S1とMR1は国内未発売である。
2.性能
1)利用できるモード      
 sCMV
 SIMV
 SPONT
 ASV
 INTELLiVENT-ASV(国内未承認)
 P-CMV
 P-SIMV
 APVcmv
 APVsimv
 DuoPAP
 APRV
 NIV
 nCPAP-PS
------------------------------------
 TRC(tube resistance compansation)
 Sigh
 Apnea Backup Ventilation
 Heliox (オプション)
 Integrated Aeroneb® (外部ネブライザオプション)
 
2)基本データー
最大吸気ガス流量....180LPM
最大換気数................120 BPM
トリガー感度............0.5-15LPM
3.制御回路、制御機構
1)制御機構の概説
 Yピースと患者との間に、両方向の流量を測定する差圧型のセンサーにより0.5-15LPMの感度のフロートリガーと換気量モニターを行っている。新生児モードでは専用のセンサーを使用して0.5LPM-5LPMの範囲で感度を設定できる。
4)吸気バルブ(図;Hamilton G5の吸気バルブ
 吸気サーボバルブは構造を図示した。音楽用のスピーカーの駆動部のように電磁力でプランジャー"plunger"を動かし、吸気ガス流量を20〜3,000ml/秒の範囲で正確に制御する。このバルブの位置は位置センサー"positioner"により絶えず把握されている。流量情報によって、このサーボバルブの開き具合が補正される。なおサーボループ時間は0.1秒であり、どんなパターンにも0.1秒で反応する。バルブ自体の応答時間は40msである。
5)呼気バルブ(図;Hamilton G5の呼気バルブ
 呼気弁も吸気バルブと同じように電磁力によって、広い表面積を持つシリコン膜をダイレクト駆動する構造をしている。PEEP/CPAP 圧も電磁力でつくられる。なお、ここには気道圧によるサーボ制御はない。
4.ニューマティック回路(図;Hamilton G5/S1 ニューマティック回路図
 O/Air配管より入力されたガスは純電子的なブレンダーで酸素濃度を調節する。これはOと、Airの両側に設けられた電磁弁で開閉時間を調節することで、各流量を調節する。純電子的なブレンダーは機械式に比べて精度が高い事、経年変化がほとんどない事、機械工作が簡単な事、回路抵抗が少ない事に利点がある。混合ガスは貯蔵タンクtankに貯められる。これはO/Airの組成の安定化と駆動圧の安定化、ピーク流量の確保の三役をしている。混合ガスはサーボバルブ(フローコントロールバルブ)によって吸気ガスになる。すべての吸気ガスは吸気サーボバルブ系より創られる。つまりディマンドフローシステムも兼ねる。また、ここで吸気流量も演算される。吸気・呼気ガスは外部フロートランスデューサーでモニターされる。呼気ガスは外部フロートランスデューサーで計測された後、ダイレクト駆動の呼気弁より大気に放出される。Helioxオプションも用意されている。センサーボードに搭載されているAZ-Valvesはゼロ点校正弁である。Safty Valve blockには、異常高圧をメカニカル機構でリリーフするover pressure valveと、機器異常時には電磁弁が非加電化して大気を吸えるようにするambient valveがある。ネブライザーには通常のガス駆動型(internal)とオプションのAeroneb(external)を選択できる。internalではネブライザー駆動ガスの分だけ吸気ガス流量が補正される。externalでは、補正が必要ないので補正しない。ちなみにAeroneb® sysytemは超音波の駆動部にシリンジポンプで薬液を噴射して薬剤を投与する商品で、人工呼吸器のガス組成に影響を与えない。
 
5.制御ソフト
1)トリガー方式
 フロートリガーを選択すると、圧トリガーは停止し、自動的にベースフローが付加される。ベースフローはトリガー感度の2倍値になる。ベースフローは呼気開始初期には適応されず、呼気ガス流量がトリガー感度の4倍値以下になった際に開始される。その場合にも一気に開始するのではなく、徐々に設定値まで上昇する。圧トリガー方式を選択するとベースフローは付加されない。IntelliTrig機能はリーク量を自動的に補正してAuto Trigger を防ぐ機構でこれはETSにも適応される。
2)ETS(expiratory trigger sensitivity)
 PSVにおいて吸気終了条件でピークフローの5-70%の範囲で設定できる。標準値は成人で25%、小児・新生児で15%である。
3)sCMV
 強制換気はVC, PC, APVより選択できる。VCを選択するとモード名はCMVと表記される。PCを選択した際にはP-CMV(P-A/C)と表記される。APVではAPVcmvと表記される。強制換気直後の0.2sはトリガーに反応しない。VCでは吸気波形はSine, Square, 100%Dec., 50% Dec.の4つより選択できる。ただし、新生児モードではVCは利用できない。
4)SIMV(図;SIMV論理
 SIMVの強制換気もVC, PC, APVより選択できる。VCではSIMVと表記される。VCは新生児モードでは利用できない。PCではP-SIMVと表記され、APVではAPVsimvと表記される。SIMVサイクル時間が4秒までは全時間方式である。それ以上の場合には、トリガーウィンド時間が4秒の部分時間方式になる。
5)PSV
 PSVはSPONT, SIMV, DuoPAP,APRV,ASVモードで利用できる。吸気終了認識条件は吸気ピーク流量の10-40%値を選択できる。これはETS(Expiratory Time Sensitivity)で設定できる。最大吸気時間は3秒までに制限される。
6)ASV(図;ASV:呼吸仕事量WOBはresistive WOBとelastic WOBの合計である。これが最少になる換気回数fを目標にASVは制御していく。)
 ASVは簡単に表現すれば、目標分時換気量を指標にしたHamilton方式のMMVである。基本はVolume Support状態であるが、@吸気分時換気量が一定値を下回る(おそらく−10%程度もしくは−1LPM程度と推定される)A無呼吸時間が一定値以上、を認識するとAPVsimvに切り替わる。自発呼吸を認識すると元のVolume Supportに復帰する(復帰条件も公表されていない)。自発呼吸が存在しない状態から確実にトリガーしている場合まで、換気能力がどのように変動しても、「機械が自ら吸気仕事量が最少になる理想的な換気条件に自動的に選択していく」全自動の換気モードである。広義的に解釈すれば、高次元の処理をするMMVの一形態で、最少の換気圧で、目標分時換気量が一定値以上になるように、また設定値以上の分時換気量を患者に許容できるモードである。ASVの設定において重要なパラメーターは、体重(Body Weight)と%分時換気量(% Minute Volume)と最高気道内圧(Pmax)である。体重3kg以上に適応できるが、新生児モードでは使用できない。
 ASVでは最初に、目標分時換気量(target volume)と目標換気回数(target rate)を決定している。目標分時換気量は体重(ideal body weight)より計算できる。この値に対する%値が%分時換気量となる。目標換気回数はOtisの式: A.B. Otis, W. O. Fenn, and H. Rahn, "Mechanics of breathing in man", J Appl Physiol, vol. 2,pp. 592-607, 1950に基づいて計算される。この式によりWOBを最少にする理論的な換気回数(target rate, f target)を目標値として演算している。 
 
 
図;Otisの式
RCe: respiratory time constant (= expiratory tidal volume / expiratory peak flow)
MV: minute ventilation
f: total respiratory rate
VD: dead space)
 
 
目標分時換気量を目標換気回数(f target)で割れば、目標一回換気量(target tidal volume)になる。Otisの式におけるRCeなどの未確定項目を測定するために、P-SIMVによるテスト換気を5回繰り返す。1回ごとにRCe, Vt, fを測定し、これらの値で次の換気に臨む。もし、これらのパラメータが下記条件を逸脱した場合は、強制的に仮定値を入力して次の換気を行う。例えばRCeが規定値より逸脱した場合は1(weights>10kg)もしくは0.5(その以外の場合)を用いるなどの処理を行う。
[条件]
VDは2.2ml/kg body weightより計算する。
100%MVは0.1L/min/kg(adult), 0.2L/min/kg(infants)である。
Vtは2*VD〜10*VDの範囲内で決定する。
fは5〜60bpmの範囲内で、Te>3*RCexpを満たす値を採用する。
I:E比は1:1〜1:4の範囲に限定する。
Teは3*RCeである。
Tiは60/f target - Teになる。
RCeは0.1-2の範囲に限定する。
V/P比は5〜120の範囲に限定する。
7)INTELLiVent-ASV(図;INTELLiVENT-ASVでの動作画面)
 INTELLiVENT-ASVとは、ETCO2とSaO2の情報に基づいて、ASVモード上で従来は医師が設定していたFiO2,PEEP,%MVさえも自動調節してしまう機能である。現在、アメリカや日本では未承認なので利用できない。INTELLiVENT-ASVの作動画面には、INTELLiVENT-ASVが現在どのような状況で換気しているか、増悪時にはどのような指針で変化していくか、などがグラフィカルに表示される。臨床医をガイドするかのごとく、表示が工夫されている。オンライン上にシミュレーターソフトまで用意されていることからも、Hamilton社がINTELLiVENT-ASVにかける意気込みが伝わってくる。
シミュレーターのURLは以下である。
http://www.hamilton-medical.ch/fileadmin/Assets/Produkte/S1/Simulation/Onlinesimulation/hamilton_s1.swf
機械にすべて委ねるのに不安があれば、どこまで許容させるか設定する画面があるので、病状も含めて設定する。ARDSやCOPDなどの病状はすべて組み合わせられるので64パターンの病状に対応する。病状に応じてCO2 eliminationとOxygenationの帯状ガイドラインが変化する。(図;INTELLiVENT-ASVでの設定画面例COPD設定画面例nonCOPD:COPDからnonCOPDに切り替えるとCO2 eliminationとOxygenationのガイドラインの帯が変化していることに注目。また自動的にPEEP/CPAPやOxygenationがAutomaticからManualに変更されている。Auto RecruitmentもOFFに切り替わっている。)Fio2やPEEPを変化させる基準はおそらく次のプロトコールに準じていると思われる(図;ASVでの推奨設定プロトコール)。
8)DuoPAP,APRV(図;DuoPAPの説明APRVの説明
 DuoPAPとは他社でいうBIPAP,BiPhasic,Bi-Levelに該当するモードである。Hamilton G5/S1ではDuoPAPとAPRVはほとんど同じ動作をする。DuoPAPではP-high、Rate(換気回数)とT high(吸気時間)で高圧相を定義するが、APRVではT highとT lowによって換気パターンを設定する。いづれのモードでもPSを付加できる。ただし高圧相でも低圧相でもPSの絶対圧は同じになる。したがって、DuoPAPとAPRVの違いは設定方式の違いだけである。これには、それぞれの設定方式が、BIPAPとAPRVに適しているとの判断されているゆえである。高圧相より低圧相、低圧相より高圧相への移行にはトリガーウィンドが設けられている。
9)APV
 APVはA/C、SIMVの強制換気に利用できる。APVはEvitaではAutoFlow、ServoではPRVCと表記されるモード名である。強制換気はPCで与えられる(一回換気量が設定値になるように自動的にPC圧が調節される)。吸気圧はPEEP+3cmH2Oから高圧リミット−10cmH2Oの範囲で設定される。変化量は換気毎に最大2cmH2Oに制限されている。PSV圧は設定値のままで変化しない。体重2kg以下では使用できない。APVをPSVに応用したのがVolume Sipport(VS)である。
10)NIV
 成人、小児で利用できる。リークが多いときちんと動作しない。ETCの設定とTi maxをきっちり設定するのが肝要である。
11)新生児カテゴリー
 患者回路は新生児専用を使用する。口元のフローセンサーも新生児専用を使用する。使用前にフローセンサーの校正をする。ちなみに新生児用のフローセンサーの死腔は1.3mL以下である。対象は体重10kg未満で、圧換気モードのみ(P-CMV, APVcmv, APVsimv, DuoPAP, APRV, nCPAP-PS, SPONT, VS)利用できる。NIVやASVは選択できない。ちなみに小児モードは体重5kg以上が対象である。
12)無呼吸バックアップApnea Backup
 設定時間以上の無呼吸を認めれば無呼吸バックアップに切り替わる。その際にはCMVの設定条件で換気が行われる。自発呼吸を検出すると自動的に元のモードに復帰する。気道吸引操作などで、無呼吸バックアップに入らないようにしたければ、吸引操作前にあらかじめアラーム消音キーを押しておけばこれを回避できる。モード変更後や校正後の30秒間は無呼吸バックアップは無効になっている。











 

動作中のモード

 移行するバックアップモード

SIMV

(s)CMV

SPONT,P-SIMV,DuoPAP,
APRV,NIV

P-CMV
 

APVsimv

APVcmv

NIV-ST
 

APVcmv
 
 
13)ネブライザー(internalとAeroneb®)
 オプション画面よりネブライザーの種類を選択できる。ONにすると設定した時間だけ作動し自動的に停止する。internalを選択した際には、吸気ガス流量はからネブライザーガス流量分を補正して送気するのでネブライザー使用中でも酸素濃度や換気量に影響しない。internalは成人だけが対象である。externalで各種の外部ネブライザー機器を利用できる。オプションのAeroneb® II sysytemでは、超音波の駆動部にシリンジポンプで薬液を噴射して薬剤を投与する商品で、人工呼吸器のガス組成に影響を与えない。新生児・小児・成人で利用できる。(図;Aeroneb®の接続
14)SIGH
 量換気モードの際には100呼吸(強制換気もしくは自発呼吸)に対して設定換気量の150%のボリュームで、圧換気モードでは+5cmH2Oの圧で強制換気が行われる。
15)SPONT
 SPONTモードは自発呼吸モードで、CPAPもしくはPSV、APRVを選択できる。
16)PV tool(図;G5でのPV toolの動作)(図;PV toolでの表示画面例
 PV toolを使用すると容易にLow Flow PV Loopを測定することができ、最適なPEEP値と吸気圧を決定することができる。PV loopの吸気相において、Paw対Volumeの傾きが急に上昇する点(LIP)より高い圧にPEEPを設定することが望ましい。逆にPtop近くて傾きが低下する圧(UIP)より低い範囲に吸気圧を設定する。difference between two curvesは別名hysteresisと呼ばれる。ALIなどでhysteresisが増大している状況はPEEPを増加させることやrecruitment maneuverを推奨しているかもしれない。(図;P/VカーブでのUIPとLIP:@呼気カーブA吸気カーブBUIPCdifference between two curvesDLIPELinear compliance)
17)TRC
 TRCとはチューブ抵抗補正機能で、気管チューブの抵抗を相殺する機能である。Drager社のATC、Bennett社のTCと類似の機能である。VCでは呼気中に動作する。PC, APVでは吸気・呼気の両方で動作する。
 
18)nCPAP-PS(図;nCPAP-PSでのタイミング
nasal CPAP-PSモードでは通常はPSVとして作動するが、自発呼吸がない場合にはt imvで設定したトリガーウィンドーで強制換気が入る。つまりBiPAP機のS/Tモードと同じ動作をする。
6.操作方法
 基本はタッチパネルで選択し、ロータリーノブで(必要なら数値選択し)確定する操作体系になっている。インターフェースは直感的に理解しやすい構成になっているので予備知識がなくても簡単に操作できる。
 ます電源を入れるとセットアップウィンドが表示される。前回の設定と新規患者の選択肢がある。タッチパネルの操作によりウィンド形式のメニューが次々に表示されるので、必要な項目をタッチして選択し、必要なら数値を入力し、最後にCLOSEキーを押して確定する。その後にアラーム設定が表示されるので、Automaticを押すなり、任意の値を入力して確定する。その後にスタートをクリックすると換気が開始する。
 モニター関係の設定もアイコンを操作することで各種設定をしたり、表示をカスタマイズできる。成人と小児カテゴリでは全モードを選択できるが、新生児カテゴリではNIV・ASVは選択不可である。換気モードも圧換気とAPVモードのみ選択可能である。
7.モニター、アラーム機能
1)患者状態
@呼吸回数(0〜130回/分)
A最高気道内圧(0〜110cmHO) 
B分時換気量(0〜50LPM)
C無呼吸(15〜60秒)
2)その他
@設定確認
A回路はずれ(2呼吸)
Bフローセンサー
Cエアー、酸素配管
D電源
E機器作動不能
F酸素濃度(18〜103%)
GPEEP圧低下
8.ディスプレー機能(図;グラフィック画面例
 気道内圧,フロー,ボリューム,ETCO2など同時に4波形グラフィックで表示できる。さらに、F-V曲線,P-V曲線,呼吸仕事量,PTP,気道抵抗,コンプライアンス,RSB,P01,AutoPEEP,Dynamic lung,PV toolなどを表示できる。
9.患者回路構成、加湿器(図;患者回路例
 加湿器はF&P が標準装備である。
10.日常のメンテナンス
1)呼吸回路
 標準の呼吸回路や呼気弁は48時間で交換し、EOG、オートクレイブ、消毒液で滅菌する。バクテリアフィルターはディスポが望ましい。
2)外部フロートランスデューサー
 48時間で交換し、洗浄、滅菌する。とくにフロートランスデューサーは消耗品である。この部品はEOGや消毒液でのみ滅菌可能で、62℃以上に加温してはならない。一応、校正できなくなるまで再使用可能である。
3)呼気弁
 シリコン膜は外部フロートランスデューサーより寿命は長いが、少なくとも10回の滅菌をしたら廃棄する。
11.定期点検
1)1日1回、使用前
 初めてに患者に装着する前や、酸素センサーやフロートランスデューサーを交換した時。それ以外に少なくとも1日に1回、センサー校正をする。この時は、患者より人工呼吸器をはずす必要がある。
2)3ヵ月ごと
 ガス入力フィルター、リアーパネルファンを点検。電気系のマイクロリークのテスト。全機能テスト。人工呼吸器の圧校正。
3)12 ヵ月ごと
 指定サービス技術者による点検を受ける。詳細はマニュアルを参照する事。
12.今後の課題
1)フローセンサーの校正は患者に装着したままではできない。また口元に設定するフローセンサーは邪魔である。
2) INTELLiVent-ASVにおいてSpO2の計測値が信頼できるかの判定方法や、信頼できない場合の内部処理に関して、ユーザーが納得できるプロトコールを公表する必要がある。