1.特徴
Hamilton CシリーズとG5,S1との相違点はガス発生機構にある。Hamilton Cシリーズは内蔵バッテリー駆動可能なタービン式の人工呼吸器であり、搬送使用も可能である。C3は換気モードなどのカタログ性能上の機能はG5,S1とほとんど同等である。モードに関しても、INTELLiVENT-ASVモードは利用できないが、ASVやNIVも含めてG5,S1に可能なことはほぼすべてできる。対象は新生児・小児・成人であり、これも同等である(新生児はオプション)。最大吸気ガス流量は配管による制限を受けないので、むしろHamilton Cシリーズの方が多く240LPMまで可能である。内蔵バッテリーによって標準で6.5時間駆動できる。当然低圧酸素も利用できる。C3では 12.1インチ高精細カラー液晶モニターも装備されていて、これもS1と同じである(C2,C1は8.4インチ)。機構上、Helioxオプションはない。C2の改良版がC3になるが、両者のPneumaticsや機構はほぼ同じである。C3ではS1と同じ仕様のVentilation Cockpitと呼ばれるディスプレー機能やユーザーインターフェースが採用されている。C2とC3にはタービンに加えて吸気バルブが設けてある。これは新生児対応にするために吸気バルブによる精密な制御が必要になったと推定される。C1には吸気バルブが存在せず、タービンの回転数制御で吸気ガスを調節する簡易構造になっている。そのためC1は小型軽量である。機構上、新生児には対応できないが、モードなどはC2/3と同じ機能を有する。C1のバリエーションとして防水耐衝撃仕様のT1やMRI対応のMR1という派生モデルもある。C1,T1,MR1は換気性能に関しては同じである。
2.性能
1)利用できるモード
sCMV+
SIMV+
SPONT
ASV
PCV+
P-SIMV+
APVcmv(C3のみ)
APVsimv(C3のみ)
DuoPAP
APRV
NIV,NIV-S/T
nCPAP-PS(C1不可)
------------------------------------
TRC(tube resistance compansation)
Sigh
Apnea Backup Ventilation
Integrated Aeroneb® (外部ネブライザーオプション)
2)基本データー
最大吸気ガス流量....240LPM
最大換気数................150 BPM
トリガー感度............0.1-15LPM
バッテリー駆動........C3:6.5時間、C2:5.5時間、C1:2時間、T1:5.5時間(標準状態で)
重量............................本体C3 :9.5Kg、C1:4.9Kg、T-1:6.5Kg
3.制御回路、制御機構
C1はブロアーの回転数制御だけで吸気ガス流量を調節しているが、C2とC3ではブロアーは駆動圧を発生させ、比例制御弁である吸気バルブが吸気ガス流量を調節する。呼気弁もC2とC3ではG5,S1と同様の構造で電磁ユニットによるダイレクト駆動方式であるが、C1では、比例制御弁が呼気弁駆動ガス圧を調節する間接駆動方式である。
高圧酸素配管よりの酸素ガスはProportional valve O2で酸素濃度を調節する。Sensor QO2は酸素ガスの流量センサーである。ブロアーの温度はSensor T Blowerでモニターする。吸気ガス流量はSensor Q ventで計測する。C1には吸気弁がないのでブロアーの回転数制御で吸気ガスを調節する。一方、C2,C3ではブロアーで発生させた高圧ガスを吸気バルブで流量調節する。呼気弁はC2,C3はS1とおなじで電磁駆動機構によるダイレクト駆動である。C1は駆動ガスを比例制御弁で調節する間接駆動になっている。口元のフローセンサーの差圧を計測して吸気・呼気流量測定をしている。また、Proximal Pressureもモニターする。圧センサーにはゼロ点校正弁が設けてある。高圧酸素源に接続していると内部ネブライザーを使用できる。
5.制御ソフト
Hamilton G5,S1と同じ。
C3はS1と同じ。C2とC1は共通の操作画面をもつ。いづれもタッチパネル式のGUIが良くできているので説明書を見なくても操作できる。
7.モニター、アラーム機能
G5,S1と同じ。
C1、C2は8.4インチディスプレー。C3,S1,G5は12インチディスプレーである。機能も共通している。
図に示した。基本的にHamilton 社の製品は共通の患者回路である。
10.日常のメンテナンス
G5,S1と同じ。
11.定期点検
G5,S1と同じ。
12.今後の課題
G5,S1と同じ。