21.アコマ医科工業株式会社
ARF-1500E, ARF-900E III
1.特徴(図III-21-1a,b)
 内蔵バッテリー、外部バッテリー、AC電源の3電源に対応する、ベローズを電動モーターで駆動する救急用、車載用、在宅用の人工呼吸器である。モーターはMPUによって制御する。ARF-1500EにはPEEPとプラトー機能を持つ。
2.性能:ARF-1500E
 モード..........Control,Assist/Control +PEEP
 一回換気量..300〜1500 ml     
 流量...............9〜81 LPM      
 呼吸回数.......4〜18 BPM      
 バッテリー作動時間...およそ2時間 
 重量...............22 Kg         
 消費電力.......100V 1.8A(加湿器を含む)
       12V 約3.5A
 
  性能:ARF-900E III
 モード..........Control,Assist/Control
 一回換気量..200〜900 ml
 流量...............5〜65 LPM
 呼吸回数.......5〜40 BPM
 バッテリー作動時間...最大負荷時30分
 重量...............17Kg
 消費電力.......12V 約3.5A
      (AC100V用の専用パワーユニットも用意されている)
 
3.機構の概略(図III-21-2a,b)
 吸気時にはモーターの回転力が電磁クラッチによりギアに伝達されてベローズを圧縮する。呼気時にはクラッチは切り離されて、ベローズに内蔵されたスプリングの弾性で元に戻る。吸気ガスに酸素を添加する機構も設けられている。ARF-1500Eでは換気量の設定はメカニカルに行われる。ベローズに連動したスイッチ(光センサー)で検出してを駆動量を決定する機構になっている。ARF-900E IIIではギアにポテンシオメーターが連結されていて電気的に駆動量を検出している。過剰圧は機械式のリリーフ弁により排出される(20〜60 mmHgの範囲で設定可能)。
4.操作(図III-21-3a,b)
 換気量、換気回数、フローレート(ARF-900E IIIではI:E比)、トリガー感度を設定する。換気条件設定は約1ヶ月記憶されている。ARF-900E IIIのトリガー感度は−1pH2O固定である。リリーフ弁により気道圧上限を設定する。ARF-1500Eでは低圧アラーム、回路内圧上限アラームを設定する。ARF-900E IIIの低圧アラームは 5pH2O固定である。
5.アラーム
 ローバッテリー、低吸気圧、回路内圧上限、設定不良、機器異常、電源のアラームが設けられている。
6.メンテナンス
 ドレーンカップ、加湿器は適時点検し、排水、注水を行う。機器設定や患者回路は毎日確認する。バクテリアフィルターは毎日交換する。患者回路、呼気弁、加湿器は週に2回交換、洗浄、滅菌する。バッテリーは常に充電する。2年ごとに交換する。5000時間毎に機器のオーバーホールを受ける。
 
 
 
図III-21-1a         ARF-1500Eの外観
図III-21-1b         ARF-900E IIIの外観
図III-21-2a         ARF-1500Eの構造
図III-21-2b         ARF-900E IIIの構造
図III-21-3a         ARF-1500Eの操作パネル
図III-21-3b         ARF-900E IIIの操作パネル
図III-21-4          患者回路