Drager
Evita XL,Evita4
1.特徴(図;EvitaXL外観写真図;Evita4外観写真)
 1985年のEVT-1000を始めとして、1990年には基本機能に限定した廉価版のEVT-800が、1993年にはマイナーチェンジ版のEVT-2000(Evita 2)と、1992年にはEVT-880が、1995年にはEVT-4000(Evita 4)が発売された。1997年にはEVT-4000のグラフィック機能を簡略化してコストを下げたEVT-2200(Evita2 Dura)が、2004年にはEVT-4000のグラフィック機能と操作体系を増強したEvitaXLが発売されて、SmartCareやLow Flow PV Loopなどの機能が追加された。Evitaは先進的なハードとソフトを兼備する人工呼吸器で、優れた呼気弁制御技術の産物であるBIPAPやAutoFlow、吸気フロー技術を生かしたPressure Limited Ventilation(P max 制御), 圧上昇速度可変(slope control of pressure rise),優れたセンシング技術による最高水準のトリガー感度、大型カラー液晶タッチパネルによるインターフェース、成人領域(体重15Kg以上)より小児領域(体重3Kg以上)まで対応可能、さらにオプションのNeoFlowを搭載すると新生児(500g以上)のPTVも可能になる、などの多様な機能を満載している。コンピュータソフトは継続的に改良されていて、現時点ではSW6.0が最新バージョンである。
2.性能
1)利用できるモード
    CMV・IPPV(=A/C)
    ASB (=PSV)
    SIMV +ASB
    EMMV +ASB
    BIPAP +ASB
    APRV
    +PLV(pressure limited ventilation)
    +PEEP
    +Intermittent PEEP
    +Apnea ventilation
    +AutoFlow
    +slope control of pressure rise
2)基本データー
ガス供給システム・・・・・・初期流量最大8ms間に120 LPM
最大吸気ガス流量
    強制換気・・・・・・・・・・・・120LPM 
    ASB  ・・・・・・・・・・・・・・180LPM 
    吸気ガススルーレート・・・・・・・250L/s   
    最大強制換気数・・・・・・100BPM 
    最大SIMV回数・・・・100BPM 
 
3.制御回路,制御機構
1)制御機構の概説
 Evitaはコンピューター制御の人工呼吸器で、control unit, electronics, pneumaticsの各ユニットにMPU(モトローラ68332a)を装備し、それぞれをCAN bus(1MBit/sの伝達速度)で接続する。ディスプレーにも専用のMPUを装備する。メモリーには3.5Mbyte Flash EPROM と1.5MBite RAMを装備する。
2)機械的機構の特徴
 ニューマティック回路は標準的であるが、センサーの利用法に特徴がある。圧トランスデューサーや酸素濃度センサー、フローセンサーを自動的にしかも、患者に使用したまま校正を可能にする機構を採用する。そのため経年変化の少ない安定したセンシングが可能になっている。
3)ガス流量計測
(1)吸気側
 フローコントロールバルブ前後の圧情報とフローコントロールバルブの位置情報より吸気流量や吸気量を演算する。
(2)呼気側
 呼気ガス流量は熱線型"hot wire"のフロートランスデューサーで計測される。これはディスポーザブルになっているが、滅菌を考慮しなければ、連続使用も可能である。このセンサーの0点校正は、吸気相にフローがない時に行われる。換気量はA/D変換された後、デジタルフィルター(2nd.transversal & 4th.bessel filter)で処理される。これにより分時換気量の平均化が行われ、一分間の集積に近い特性をもたらす。呼気分時換気量の計測データーは、(呼気弁のPEEP補償情報としても用いられるが、)原則的にはアラーム専用であり、機械制御系とは独立している。
4)吸気バルブ(図;HSPVの構造解説図
 吸気バルブ(ニューマティック図のY8,Y9)はHPSV(High Pressure Servo Valve)と呼ばれているが、これは、音楽用のスピーカーを駆動する電磁コイルと同様の原理で駆動される。吸気バルブ駆動回路は、圧や流量情報に基づいて、デジタル回路によるサーボ制御がされている。
5)呼気バルブ(図;Evitaの呼気弁の構造)
 EVT-1000の脱着式の呼気弁ユニットは、扱いが容易であったが、構造が複雑で重量があり高価であった。EVT-2000以降は小型軽量、簡単な構造に改良され、結果的に廉価になった。呼気バルブはダイアフラム弁であるが、この駆動ガス発生機構は、電磁コイルによって任意の圧に調整できるPEEPコントローラー(ニューマティック図のY2)とこれを制御するデジタル回路より成り立つ。PEEPコントローラーバルブはHPSVと類似機能をする弁で駆動電流により任意のガス流量に調整できる。抵抗R2を経た駆動ガスより任意の量を大気に解放することで目的の呼気弁駆動圧(=PEEP駆動圧)を作る。呼気弁駆動圧は、呼気側の圧センサーの情報や呼気ガス流量情報に基づいてデジタル的に調整されている。特にBIPAP作動時には呼気弁駆動系が吸気側と同レベルの役割を分担する。
4.ニューマティック回路(図;EvitaXLのニューマティック回路図)
 O2/Airのガスは、入力フィルタF1.1,F1.2で中央配管よりの埃、水分を除去した後、回路駆動ガスを減圧弁 DR1.1,DR1.2を経由して供給する。通常の駆動ガスは Airを使用しているが Airが遮断されたときO2で回路動作を確保するためY1.1で駆動ガス源を切替える。Y1.3は気道内圧アラーム設定値を越えた圧を逃がすための緊急弁である。
O2/Airの圧センサーS6.1,S6.2はフローコントロールバルブ「HPSV」Y2.1,Y2.2直前での圧を計測している。この計測データと気道内圧のデータをもとに、フローコントロールバルブY2.1,Y2.2はO2/Airの混合と流量制御の二役を一期的に行なっている。Y3.1,D3.1,F3.1,D3.2は機械故障時やエア配管からの供給ガスが途絶えた時に患者回路を大気に開放するシステムである。Y1.2,Y3.2 はO2 センサーS3.1の校正用システムである。O2 センサーの校正キーを押すとY1.2が開いてY3.2を開くと同時に校正用のガスをY3.3に供給する。Y3.3は患者へのガス供給とO2 センサーへの校正ガスとをセパレートしながら校正ガスを流すことができる。これによりO2 センサー校正中のガスが患者に混入することなしに校正が可能となったので O2 センサー校正のために回路を開放する必要が無くなった。D3.3は患者回路が異常に高圧になった事態を想定しての解放弁(安全弁)である。Y1.4はネブライザ駆動ガスを供給する。Y6.1,Y6.2は気道内圧センサーの校正弁で、この作動によりY6.1,Y6.2は、それぞれの気道内圧センサーs6.1,s6.2を大気に開放しゼロ校正を行う。P1,P2 は将来、口腔内圧や食道内圧などを計測するオプションが追加開発された際に対応できるように本体正面に開いているポートである(現在未使用)。s6.2はY4.1で発生させている圧を基準として呼気ラインの圧変動を常時監視しており、トリガーやディマンドのための信号を送る。回路の簡素化により呼気弁駆動とPEEP調整は1つのバルブY4.1で行っている。このPEEP/PIPバルブは電磁駆動バルブであってPEEPやBIPAP モードの高圧相の圧(PIP )をコントロールする。このバルブで作られた圧で着脱式の呼気弁ユニット(ペーシェントシステム)内の呼気弁を駆動している。ペーシェントシステム内の Sはメッシュ板で呼気流を整流する。S5.1はフローセンサーである。フローセンサーの校正はソフトウェアでコントロールされており吸気時間中の呼気流量が無い時間中に行われる。エビタのニューマチック回路は基本的に電磁弁→ニューマティックと二段重ねの駆動方法となっているのは、呼気弁ユニット( Y5.1,D5.1,S,S5.1が入っているブロック = ペーシェントシステム)を着脱するためである。呼気のフローセンサーS5.1には熱線式が使われている。
5.制御ソフト
1)トリガー方式
 Evitaは圧ディマンドとトリガーを明確に区別している点に特徴をもつ。Evita4以降では呼気弁直前の気道内圧変動を感知する圧ディマンドによって吸気フローバルブ(Y2.1,Y2.2)を開け、その時に生じる流量を基にトリガーを行うフロートリガー方式を採用している。EVT-1000やEVT-2000では圧トリガーとフロートリガーが混在しているが、Evita4ではすべてフロートリガーに統一されている。フロートリガー感度を調整する必要性はほとんど感じないが、必要ならば、換気モード設定画面にある"Extra settings"キーを押して0.3〜15LPM の間で設定することもできる。仮に0.3LPMに設定してもAuto-Cycleはまずおこらない程安定した作動をする。ディマンド感度はΔ0.2mbar に固定されている。驚くべきことにベースフローはない。メーカーによると、ベースフローがない根拠は[その必要がないと]説明されている。しかし、NeoFlow(BabyLog 8000の機能をそのまま組み込む、新生児用の換気機能のオプション。フローセンサーはBabyLog 8000と同じもので、Yピース先端と気管チューブの間に設置される。)ではベースフローを使っているので、ディレイを最少にする必然性とセンサーそのものの違いによると推定される。少なくとも、外付けされた熱線型センサーでは、精度維持と信頼性に問題を生じる可能性を完全に除外できないとの認識があるためである。ベースフローがなければ、吸気側のフロー情報だけでフロートリガー処理を行うことが可能になる。
2)圧上昇速度可変(slope control of pressure rise)
 ASB,BIPAP,AutoFlow等のすべての圧換気モードで利用できる。吸気の立ち上げ時間(slope controlの期間)では、基準圧は経時的に連続的に上昇していく。吸気圧は基準圧より-0.6mbar以内になるように吸気バルブがサーボ制御される。圧上昇速度は 64ms〜2.0s の範囲で可変である。
3)IPPV・CMV
 このモードはA/Cを意味し、ボリューム換気(Volume ventilation)による強制換気モードである。一回換気量は0.1〜2.0L(adult),0.02〜0.3L(pediatrics)で設定できる。強制換気にはPLVもしくはAutoFlowを選択できる。強制換気時間以外はすべてトリガーウィンドーとして扱われる。SW6.0以降はCMV(Contineous Mandatory Ventilation)と表記される。
4)PLV(Pressure Limited Ventilation)(図;PLVの説明)
 従量式換気"Volume ventilation"と従圧式換気"Pressure ventilation"を両立させる換気方法で、"Pmax"で設定された最高気道内圧以下に気道内圧を制限する。この際でも一回換気量は減少しない。図のように気道内圧が"Pmax"に達するとその圧を超えないように(=ピークカット)吸気流量を下げて、設定された一回換気量が入るまで吸気を続ける(volume cycleのPCVになる)。この際、TEIP(吸気プラトー時間)が減少する。TEIPをこえて吸気時間が延長される事はないので、これが換気量の補償の限界になる。換気量が減少した際には"volume not constant"とメッセージされて警報音が鳴る。なお、自動的に設定値+10mbarの値が最高気道内圧のアラームレベルになる。
5)AutoFlow(図;AutoFlowの説明)
 換気モードではないが、IPPV, SIMV, EMMV モードに対して付加できる機能である。圧換気であるBIPAP に一回換気量を保証する機能と言える。強制換気に対して設定するものでSIMVなど自発呼吸相での動作は付加する前と全くかわりはない。この機能を選択すると、まず目標圧を設定するために設定された吸気時間いっぱいに使って規定された一回換気量を入れる(通常のボリューム換気)。この時に生じるプラトー圧を初期設定圧とする。2回目以降は、前回のコンプライアンスと強制換気時の換気量より演算して換気圧を設定する。変化量を3mbar以内に限定している。圧変化の上限は圧上限アラームの値−5mbarとなっている。また換気量の上限を "Vti"アラームで設定することもできる(アラームと同時に低圧相へ移行する)。従来の従量式(ボリュームコントロール)の設定感覚でファイティングを起こしにくい「幅をもった」従圧的設定が可能な機能とも言える。このモードでも圧上昇速度を調整可能である。
6)SIMV
 Evitaのトリガーウィンドは5秒固定で、SIMVサイクルの最初のトリガーに対してのみ強制換気が行われる。SIMVを12回以上に設定すると1回のSIMVサイクルの時間が12/60=5秒、すなわちSIMVサイクルの全部がトリガーウィンドになる。1回のSIMVサイクル中に初めて行った吸気に対してトリガーし強制換気を行い、残りの時間が自発呼吸相となる。次のトリガーウィンドの前に開始された吸気が次のトリガーウィンドまで続いた場合は、次のトリガーウィンドの開始と同時に自発吸気は強制換気へ移行する。ただしこの場合の強制換気量は、設定された一回換気量から自発吸気で吸ったガス量を除いた量が強制換気として供給されるので、危険な過剰吸気は回避される。EVT-4000では1分間に設定したSIMV回数強制換気が行われ、自発呼吸があっても強制換気回数は変わらない。(設定値±1回/分)
7)ASB(図;ASBの説明)
 Drager社ではPSV類似の自発呼吸補助モードをASBと呼んでいる。ASBでは圧立ち上げ期をphase-1 圧維持期をphase-2 としている。一般のASBはいきなりphase-2 になるASBであると表現できる。最大供給可能吸気ガス流量が高い機器では高いPSVレベルでは、急激に気道に圧力が加わるので、強い圧迫感をもたらし、反射的にPSVに逆らう現象も認めらる。これを解決するためにASBではphase-1とphase-2に分けて制御している。 phase-1は、圧上昇していく期間で、基準圧が経時的に連続的に上昇していく。この速度(つまりphase-1 の時間)は 64ms〜2.0s の範囲で可変である。phase 1では、吸気圧が基準圧より-0.6mbar以内になるように吸気バルブが調整される。-0.6mbar以上の差があれば初期吸気ガス流量は120LPMになる。もし、吸気圧が基準圧を超えるとASBは終了し、ただちに呼気相に移行する。phase 2は、設定圧を維持する段階であるが、ピーク流量の25%(6%,小児モード時)まで吸気流量が低下すると、吸気相の終了と機械は判断し、呼気相に移行する。なお、吸気時間は最大4s(1.5s,小児モード時)に制限される。
8)EMMV(図;EMMVの説明
 Drager方式のEMMV は、Engstrom社製Erica,Elviraの方式と類似している。Evita では過去20秒間のデータに基づき計算した吸気分時換気量が(具体的なアルゴリズムは企業秘密)設定した目標分時換気量より下回ったときに Vt,fIMVのSIMVサイクルが始まる(トリガーウィンド、吸気相、呼気相の順)。目標分時換気量よりはるかに多い患者分時換気量が起きたのち、突然アプニアになった場合でも設定fIMV が8回以上なら7.5秒+トリガーウィンド時間、1〜8回の設定になっている場合は1回のSIMVサイクル時間+トリガーウィンド時間後に強制換気が行われる。トリガーウィンド時間は5秒固定である。したがって、実際に無呼吸が生じてから強制換気が開始されるまでの時間は、12.5秒〜(60/fIMV +5)秒が必要となる。Evita のEMMV は吸気側の分時換気量で制御されているので呼気側のフローセンサーの熱線が切れていたり、校正が狂っていたりしてもEMMV の動作には影響しない。
9)BIPAP(図;BIPAPの 説明
 Evita によって導入されたBIPAPは当初、CPAPのバリエーションであったが、 Evita2以降はPCV類似の換気モードを含む汎用モードとなった。このモードは2つのレベルのCPAPの圧(高圧相:Pinsp=0〜80mbar,低圧相:CPAP=0〜35mbar) を設定した任意の時間幅(BIPAP-APRVの場合0.2〜60秒)で交互に切り替えて呼吸を補助する換気法である。BIPAP ではCPAPの圧が低圧→高圧あるいは高圧→低圧へ切り替わるときにもトリガーウィンドが開く。このトリガーウィンドは設定された時間幅の終末から25%に開き、自発呼吸に同期してCPAPレベルが切り替わる。低圧相から高圧相への切り替えの認識条件にはフロートリガー(0.3〜15LPM)が採用されている。高圧相より低圧相の移行は吸気ガス流量が0LPMになった時点で行われる。低圧相ではASBも利用できるのでSIMV(PCV)+PSV〜PCV〜CPAPの変法の概念を包括する多機能なモードである。しかも、BIPAPは吸気・呼気バルブ両方の共調作動で行われるので、圧波形にオーバーシュートやアンダーシュートが極めて少ない特性があるばかりでなく、呼気にもトリガーが作動することと相まって理想的な圧換気を提供する。このモードでも圧上昇速度を調整可能である。なお、EVT-4000ではAPRVにはトリガーウィンドはなく、自発呼吸に同期せず、圧が切り替わる。
 
10)BIPAP assist・PCV+(図;BIPAP assistの説明
 BIPAP assistはBIPAPによって作られるASSISTモードを意味する。すべてのトリガーに対してBIPAPで作られる圧換気が提供される。したがってBIPAP assistはほとんどPCVモードと同等であるが、BIPAPシステムによって作動するので、吸気相・呼気相のいかなる時相でも吸気呼気が可能である点が利点である。SW6.0以降はPCV+と表記される。
11)Intermittent PEEP(図;interm.PEEP説明)
IPPVモードのみ有効。EvitaではPEEP圧を変化させてSIGHをかける。肺胞の虚脱を防ぐという本来の目的を考えると、ボリュームによるSIGHより、圧によるSIGHの方が論理的である。この方が気道内圧の異常上昇が少ない。PLVと相まって異常な圧の添加を予防する。
12)Apnea ventilation(無呼吸バックアップ)
 EMMV による低換気へのバックアップモードがあるので、無呼吸バックアップ機能は不要と思うが、Evitaでは、さらに無呼吸バックアップ機能"Apnea ventilation"がある。この機能はEMMV,IPPV以外のモード、すなわちSIMV,BIPAP,APRV,ASB の各モードに付加することができる。この機能を付加すると、無呼吸が設定した時間(15〜60秒で設定可能)持続したときアラームを鳴らすと同時に強制換気に移行する。このバックアップ動作の時の一回換気量と呼吸回数とは別個設定することができる。無呼吸後に強制換気に移行するのはBENETT-7200aeの"Apnea ventilation"と似ているが、BENETT-7200ae では"Apnea ventilation" 中に自発呼吸を検知すると自動的にIPPV動作が解除され自発呼吸動作に戻るが、Evita シリーズでは操作者が確認してリセットキーを押さないかぎり解除されない点が異なっている。なお無呼吸アラーム"Apnea alarm"は15〜60秒で可変となっている。(初期値15秒)
13)PEEP compensator(PEEP補正)
 呼気ガスに対する呼気弁抵抗は、PEEP圧を変動させる要因になる。呼気弁では呼気流量に応じて一定の圧格差を生じるので、これを補正するために、呼気弁駆動圧は、1.9mbar/L/sに呼気流量を乗じた分だけ減じられる。原則的には、呼気のフロートランスデューサー情報はアラーム用であるが、ここにだけ、制御情報として用いられている。
14)Leak compensator(リーク補正)
 IPPV/controlモードでは、リークがあってPEEPが設定値より低下すると、リーク補償機構が働いて最大20LPM のガスが供給される。IPPV/assist モードではこの補償機構は働かない。これは補償機構が働くことによってトリガー作動を妨害する危険を排除できないからである。
SIMVやCPAPモードではリークが発生したときは自発吸気と同様に最大120LPMガスを供給してPEEPやCPAPの圧が下がらないように動作する。
15) ILV(左右肺独立換気)
 2台のEvitaを電気的に同期させて動作させる ILV(Independent lung ventilation)のためのコネクタが付属している。
16)出力
 標準でRS-232C によるデジタル出力が可能である。オプションのエビタビューを組み込んだ Windowsパソコンを接続すると、パソコンモニターをEvitaのスレーブモニターのようにして使用することができる(波形やトレンドを表示)。またオプションのエビタ4リンクを組み込めば気道内圧、吸気呼気ガス流量、換気量の項目についてのアナログ出力も可能である。なおオプションとして用意されているSpO2計測キットを組み込めば呼吸と循環を同時に計測評価できる。ただし最近では心電図モニタにSpO2が標準で組み込まれているケースが多いのでこれは必要ないかもしれない。
17)Intrinsic PEEP測定
 呼気終末時に呼気弁吸気弁を閉じてIntrinsic PEEP(内因性で生じるPEEP)の圧とそれによるトラップボリュームを計測することができる。
18)P0.1の測定(図;P0.1の測定操作画面
 吸気開始が認識されたのち、100msec後の気道内陰圧をP0.1 (ピーポイントワン)と言う。P0.1 開始キーを押した後に認識した吸気開始から100msec間は呼気弁も吸気弁も閉じている閉塞期間となる。P0.1 は呼吸中枢の出力レベルの指標であり、人工呼吸器からのウィーニング成否の予測に用いられる。
19)ネブライザー
 Y1.1バルブのスイッチングで酸素濃度を調整するので、設定によっては酸素濃度に誤差を生じる。専用のネブライザーを使用しないと分時換気量や酸素濃度により誤差を生じる。吸気流量15LPM 以下の低流量に設定された場合および小児モードに切り替えた場合はネブライザ駆動ガスによる口元での換気量と酸素濃度の誤差を補償しきれないので自動的にネブライザはOFFされる。
20)バッテリーバックアップ
 電源遮断時には、内部バッテリーによって10分以上作動できる。 
21)ATC(Automatic Tube Compensation)
 ATCは電気的抜管Electronic extubationとも呼ばれ、気管チューブの気道抵抗を代償する処理である。経験的に3cmH2OのPSVは患者回路の抵抗を代償すると言われていたが、実際には、気道のガス流量に比例した圧勾配を生じていたのである。この圧勾配の平均を、単純に3cmH2OのPSVと同等と表現していた訳である。ガス流量に伴って生じる圧勾配をあらかじめプラスして加圧する機構がATCである。ATCはすべての換気モードに付加できる。視点を変えれば、次の項目で説明するPAVでのFlow gainで補助する気道抵抗の一部分を肩代わりする機構である。この機能を使うにはTube Comp.キーを押してOnを選択し、ET Tube(気管挿管チューブ)かTrach. Tube(気管切開チューブ)を選択する。次にチューブサイズ、Comp.(代償する程度、0-100%)を入力する。
21)PPS(Proportional Pressure Support)図;PPS設定画面
 PPSはPAVそのものである。Drager社はモード名に独自の用語を用いる悪癖があるが、これも同じである。PPSではFlow Assist(図;Flow Assistの説明)とVolume Assist(図;Volume Assistの説明)の2つのゲインを設定する必要がある。これらの至適ゲインを計測するには、Runaway現象を利用するのが簡便であると説明している。これらのゲインを上げていくとRunaway現象を生じる。この際には、Volume highアラームや気道圧上限アラームが絶えず作動したり、フロー曲線が急に上限に達しその後即座に下降する曲線を描く、患者は呼気筋を使って意識的に過膨張される肺の空気を呼出しようとする、オートトリガーを生じる(Flow Assist)、などが観察される。Runaway現象を生じる一歩前の80%くらいのゲインが至適ゲインであるといわれている。
22)NeoFlow
 Evitaは体重3Kg以上を適応とするが、オプションのNeoFlowを装備すると体重500g、一回換気量が3mL以上のPTVが可能になる。NeoFlowでは6LPMの定常流が呼気相で流れている。吸気相では6LPMの定常流に加えて設定・ディマンド分が吸気バルブより供給されるので、吸気・呼気にかかわらず呼気弁には絶えず6LPMのガスが流れていることになる。そのために、NeoFlowでは例えトリガーできなくても呼吸仕事量は最少である。同社の新生児専用機であるBabyLog8000では定常流を呼気弁で圧リリーフすることで吸気圧制御をしているが、Evitaでは一歩進んで吸気バルブと呼気バルブの絶妙のバランスで吸気圧調節をしている。そのため、圧制御能力が高く、オーバーシュートやアンダーシュートのない正確な圧制御が可能になった。フローセンサーはBabyLog8000のものを用い、新たにインターフェースボードを背面のスロットに装着する。NeoFlowではBIPAPやAutoFlow、MMVに限らずATCやPPSなど、すべての人工呼吸モードを利用できることは特筆すべき特徴である。NeoFlowのもう1つの特徴は、カフなし気管チューブよりのリークがあっても、トリガー感度はリーク補正されているので、リークによる誤動作を少ないことである。そのため、リーク量を考慮してトリガー感度を低くする必要がない。例えばServo-iの最高トリガー感度は0.05LPMであるが、リーク補正がないので現実的に0.25LPMあたりが推奨されている。つまりEvitaの0.3LPMと同等である。Evitaのリーク補正は次の理論に基づく。吸気分時換気量と呼気分時換気量の差がリーク量であるが、リーク量は気道内圧に比例すると仮定している。過去のリーク量は継続的に測定されているので、気道内圧に応じたリーク量を予想できることになる。
23)Low Flow PV(図;Low Flow PVの測定画面)(図;Low Flow PV Loopの分析画面
 EvitaXLで利用できる。PVループを正確に計測するための機能である。
24)SmartCare
 患者にとって快適な状態(コンフォートゾーンと呼ぶ)を維持するようにPSVの換気圧を自動調節して自動的にウィーニングを行う機能である。体重15-35Kgの小児と体重35Kg以上の成人が対象である。成人ではATCも併用できる。HMEか加温加湿器か、COPDの有無、中枢神経障害の有無、によって作動が若干異なる。夜間のウィーニングもON/OFFできる。
 
小児のコンフォートゾーンは以下である。
呼吸回数: 18-40 bpm
一回換気量: 6 mL/kg BW
CO2 :55 mmHg以下
PS目標圧 = 全患者に対し10 mbar
 
成人のコンフォートゾーンは以下である。
呼吸回数: 15-30 bpm (中枢神経障害有りの場合は34 bpmまで)
一回換気量: 300 mL以上 (BW < 55kgなら250mL)
CO2 : 55 mmHg以下 (COPDの場合は65mmHgまで)
最大呼吸回数= 36 bpm (重度の頻呼吸)
PS目標圧 = 5 (加温加湿器・気管切開)
PS目標圧= 7 (加温加湿器・気管挿管)
PS目標圧= 9 (人工鼻・気管切開)
PS目標圧= 12 (人工鼻・気管挿管)
 
25)NIV(図;NIV設定画面の例
 マスク下に換気するNIV用のモードである。ただの酸素供給源として作動する酸素吸入モードもある。
6.操作体系(図;タッチアンドセレクトの操作説明)
1)基本操作
 大型のタッチパネル式TFTディスプレイによって視覚的に設定できる。設定の基本は、@設定する項目のスクリーンノブやキーに触れるAロータリノブを回すBロータリノブを押して入力値を確定する、といったマウス的な設定方法である。項目ごとに確定操作が必要である。確定せずに他の項目に移行しても、実際には変更できていないので、とまどうケースがままみられる。
2)設定画面(図;設定画面例
 (ホームページ的な)一番基本的な画面は、換気モード設定画面である。これは、カラー液晶画面の右側の「換気モード設定」キーを押すと表示される。この画面では上半分がグラフィック波形(Flow, Press, Volumeが選択できる)で、下半分がツマミの設定画面である。任意の4項目(例えば、Vt, f, MV, EtCO2の実測値)も数値表示できるので、ほとんどのケースではこの画面で十分である。一回換気量、酸素濃度、呼吸回数などの設定項目は、選択した換気モードに応じて、必要な項目だけツマミがあらわれる。さらに体重による設定の目安が緑の三角形で表示されている。吸気時間を設定する際には、小さなウィンド画面が現れてI:E比を臨時的に表示してくれる。iキー(インフォメーションキー)を押すと画面最下段に操作ガイドを表示してくれる。
3)アラーム設定
 次に重要なのはアラーム設定画面である。この画面はカラー液晶画面の右側のアラーム設定のボタンを押すと表示される。上限、下限はカスタマイズされた値が初期値に入っているので、ほとんどの項目は再設定する必要がないはずである。
4)グラフ表示(図;グラフ表示例
 画面表示切り替えキーを押すと表示される。任意の波形を2種類表示できる。スケールは自動設定してくれる。
5)測定値
 このキーを押すと測定値(数値)、各種メカニクス画面、Log Bookを表示できる。
6)EMMV
  EMMVの目標分時換気量は一回換気量とfIMV の積で設定される。積の計算値は小さなウィンドー画面が現れて臨時的に表示してくれる。他の機器では目標分時換気量が独立した項目になっている場合が多いので、この点は注意が必要である。
7)特殊機能
 基本的な機能は予備知識がなくても設定可能であるが、最初のセットアップ(ユーザーによるカスタマイズ)は煩雑かもしれないが、一度設定すると快適に利用できる。項目によっては、不用意に変更できないようにパスワード入力を要求する。電源投入時にはアラームの設定範囲も自動で設定されるが、この初期値も変更することもできる。他にも波形の種類、常時表示させる数値データの組み合わせ、モードキーの組み合わせ、トレンド波形の組み合わせなどの初期値を変更することができる。圧単位mbar, mmH2Oも選択できる。変更しない場合はメーカー初期値が選択されている。
8)画面のカスタマイズ
 電源を投入時の開始画面(初期画面)をカスタマイズできる。@体重を設定する開始方法(DragerではIdeal body waight と呼ぶ)。A成人もしくは小児、それぞれに固有の設定値により開始する方法、をあらかじめ選択できる。Aはさらに、成人、小児を選択できる開始方法、成人もしくは小児モードどちらかの固定で開始する方法の選択肢がある。難点は、例えば成人用固定モードを選択してある場合で、まれに小児用で立ち上げる必要があるケースである。この場合はカスタマイズ画面を変更してから再起動する手間が必要である。Ideal body waightによる設定画面にジャンプできるように希望する。
7.モニター、アラーム機能
 患者関係は、必要な設定をすれば下記の条件に自動設定される。分時換気量だけはマニュアルで設定する。
1)酸素濃度
設定値60vol%以下の場合は設定値と実測値との間に4vol%以上のずれが生じたとき。
設定値60vol%以上の場合は設定値と実測値との間に6vol%以上のずれが生じたアラームが発生する。
2)気道内圧
アラーム設定画面のPaw 上限値で設定した値以上になった場合。強制換気を行っても2呼吸続けて96msec 以上ピーク値がPEEP+5mbarを越えない場合低圧アラームを鳴らす。
3)呼気分時換気量
設定した上限、下限を逸脱した場合。
4)無呼吸
設定した秒数(15〜60秒、初期値15秒)以上呼吸が停止した場合。
5)機器作動異常
 酸素供給、圧縮空気供給、O2/AIRミキサ、圧測定、ファン、フローセンサー、呼気弁ユニット、O2 センサー、温度センサー、電源、内部電子回路、内部ニューマチック回路の異常を警報する。
また、患者回路を開放しても警報する。この場合は100%O2 キーを押してから開放すればよい。
8.ディスプレイ機能(図;ループ画面表示例)
 Evita4では2種類の波形グラフを表示する。この波形は気道内圧、流量波形、流量波形、CO2 波形(オプション)を組み込むと脈波形、のうち選択して2つの波形が表示できる。通常表示される4つの計測値表示の他に、設定ツマミ、トレンドグラフ、ループ波形、測定値の一覧表示、過去の操作、アラーム履歴の一覧表(ログブック)、特殊計測表示、波形一時停止と停止した波形データの数値のデジタルでの読みとり、またオプションでSpO2のデジタルデータの表示ができる。デバイスチェックなど特殊な操作を行うときもメニュー画面がここに展開する。流量波形にしたときSIMVモードなどでは強制換気と自発呼吸とで波形の色分けを行って患者の呼吸状況を把握しやすくしている。分時換気量のトレンドグラフも同様である。安価なWindowsノートパソコンにEvita Viewというソフトを組み込むと3波形のグラフィックディスプレーとして利用できるので、用意しておくと便利である。EvitaXLでは標準で各種の表示が可能である。
9.患者回路構成、加湿器
 ディスポ型の加温加湿器(フィッシャー&パイケル MR-410)小児や温度管理を精密にする必要がある場合はヒータ入りの加温加湿器(フィッシャー&パイケル MR-730、MR-850)の内から選択することができる。
10.メンテナンス
1)センサーの校正
 Evita には多数の圧センサーやフローセンサー、温度センサー、O2 センサーが使用されている。圧センサーと温度センサーは絶えず自動校正されている。またO2 センサーと呼気フローセンサーについても、1日1回昼前後に自動校正される。O2 センサーと呼気フローセンサー、CO2 センサーについては必要に応じて、あるいはセンサーの交換時や精度に疑問があるとき、アラームが鳴ったときに校正することができる。それぞれのセンサーは患者から回路をはずす必要はなく、いつでも校正可能である。"校正"キーを押して校正したいセンサーを選択してキーを押すだけである。O2 センサーについては少しの酸素濃度の上昇も危険となる小児にも使用されるので、校正ガスが患者に流れるのを防ぐ回路が内蔵されている。その結果、患者に影響を与えずに校正が実施できるようになっている(約1分)。
2)呼気弁
 呼気弁は着脱式のユニットになっていて、ユニットごと取り外し、水道水で流し洗いする。したがって通常使用では分解洗浄の手間は不要である。洗浄後オートクレーブで滅菌乾燥する。この呼気弁ユニットはEVT-1000と比較してはるかに軽量・安価になった。本体には滅菌予備として合計2つ呼気弁ユニットが付属している。なお約1年間洗浄せずに連続使用して作動不良になった例が報告されている。
3)呼気側の流量計
 このフローセンサーは熱線型なので滅菌不可能である。そのためディスポになっていて、患者ごとに交換することになっている。物理的には、連続使用も可能である。
4)O2 センサー
 これはガルバニックセル"galbanic cell" なので消耗すると交換が必要である。
11.定期点検
 6ヵ月ごとに技術サービスによる点検が必要。
12.欠点
1)Evita4では設定画面上に選択できるモードは4種類だけである。表示されていないモードを選択するには、初期設定画面を変更した上で、再起動する手順が必要であり、とても不便である。これはEvitaXLで改良された。
2)AutoFlowは、患者の要求する換気量に対して設定一回換気量が少なすぎれば患者に無用な換気努力を強いる危険性がある。最少換気圧が設定できればこれを防げる可能性がある。
3)グラフィックディスプレーに同時表示できるのは2波形だけである。これはノートパソコンにVentViewをインストールし、スレーブモニターとして用いれば解決する。この点もEvitaXLで改良された。
4)ネブライザーを使用すると酸素濃度は最大で ±4%以内の誤差を生じる。また、低流量設定ではネブライザが使用できない。
5)NeoFlow(新生児モード)でYピースにフローセンサーが必要なのは、小さな患者回路に重量的な負担がありマイナスである。このフローセンサーだけ、マニュアル操作で校正しなければきちんと動作しないのも不便である。
6)NeoFlowの際の最高トリガー感度がEvita4で0.3LPM、EvitaXLで0.2LPMであるが、Servo-iの0.05LPMに比較すると数字的にもの足らない。ただし、Servo-iにはトリガー感度にリーク補正がないので、メーカーは0.25LPM程度の感度で使うように推奨されているので、現実的には同等ではある。
7)圧のサンプリング回数がServo-iに比べると1桁以上少ない。この点は成人ではまったく問題を感じないが、NeoFlow作動時に、一回換気量が5mL、換気回数100BPMといった極端な設定をすると、グラフィック画面の描画が荒くなる。当然これは微少領域でのトリガーの遅れや圧制御の遅れになっているはずである。
8)BIPAPシステムにより呼気弁は積極的に圧制御に関与し、余剰圧を即座にリリーフする。オーバーシュートやアンダーシュートがほとんどなく、ファイティングしても吸気圧波形に変動がないなど、圧波形の美しさは他の人工呼吸器を圧倒する。ただし、呼気弁より圧リリーフする際にギューッとかなり不快な音がするのは興ざめである。
9)バグの問題か、機構上の問題か、ユーザーのメンテナンスの不備の問題かが不明であるが、呼気弁周辺(フローセンサーを含む)でトラブルが起こる頻度は少なくない(フローセンサー異常とか、PEEPが設定値に達しないとか、吸気時の呼気弁でのリークが多いとか)。せっかく高度な呼気弁制御技術があるだけに、この点は惜しい。
10)起動方法や設定などカスタマイズできるのはすばらしい。アラームも自動設定されるが、これもカスタマイズできるのは便利である。ただし、分時換気量上限、換気回数上限、一回換気量上限、などはカスタマイズ設定できる範囲が少ないので、起動後にマニュアルで範囲を拡大しなければならないのは不便である。
11)SIMVにおいて、PSVで換気している時にSIMVトリガーウィンドーが開始すると、途中から強制換気に切替わるが、この際だけ、吸気時間が設定値より延長する。また、吸気波形が不自然になる。
12)PSVやPCV、AutoFlowにおいて、Flow Termination %をユーザー設定できるようにしてほしい。むろん、おもての設定画面ではなく、Extra Setting画面での話ではあるが。
13)サクションボタンを使って吸引動作をすると、吸気ガスが3分間自動停止してくれる機能は便利ではあるが、患者回路にリークが多い場合に自動再開しなくてヒアリハットとなるケースがあった。ナースは機械が動かないのでちょっとしたパニックになった。自動停止中に何らかのメッセージ音を出すべきである。
14)定期点検費用が安いとは言えない。
15)SmartCareやLow Flow PV Loop測定機能のオプションが高額すぎる。それ程の機能とは思えない。